雪崩式ブログ

雪崩式総裁・コマの日記です。

置き土産

ゲームにあまり詳しくない僕でも知っているゲーム作家に桝田省治という人がいます。
リンダキューブアゲイン』とか『俺の屍を超えてゆけ』とかを手掛けた人です。
この人が最近作った『勇者死す』という携帯アプリを最近プレイしました。

『勇者死す』というゲームは、
勇者がラスボスと戦って命を落とすところから始まります。
その勇気と栄光を称え、神様によって5日間だけ復活させられた勇者は
混迷する世の中を救ったり自分の運命の人を探したりしながら冒険します。
そして5日後に迎える葬式で、どれだけの人が参列し、涙したかを競います。

僕が最初にプレイしたときは、3つのオーブも集め、教会も復興させ、
八面六臂の活躍を見せたお陰で葬式には1500人くらい参列してくれたのですが、
教会を建て直すアイテム欲しさにさほど好きでもないお姫様と結婚してしまったためか
誰も涙を流してくれませんでした。

人生の目標を掲げるのは難しいし、それは人によってもちろん違うんでしょうけども、
どんな葬式で送り出してくれるか、というのはその人の人生を語る上で
一つの指標になると思います。
誰が集まり、誰が涙し、どんな話をしながら偲んでくれるのか。
故人が生前に成したいろいろなものごとがそのまま葬式で跳ね返ってきます。

昨日、テッド・タナベさんの追悼興行に行ってきました。
最高のお葬式でした。
あの場にあふれていた笑いと涙はそのまま、
ファンや選手たちがテッドさんにもらったものなんだなと感じました。

死ぬことは悲しい。
でも、死によってもたらされるものは限りなく大きい。
テッドさんからの最高の置き土産を胸に、
僕はどうやらこれからもプロレスを愛していけそうです。