雪崩式ブログ

雪崩式総裁・コマの日記です。

フツーとオモロの間

 フツーのことをオモロくできる、というのは偉大な発明やと思う。デザインだって、ある意味発明。漠然から劃然を、曖昧から明瞭を、モヤっとからスッキリを抽出するときにどこでどう線引きをするか、どこを捨ててどこを拾い、その拾得物をどう誇張するか、というデザイナーの作業は、フツーのことをオモロく見せる芸人の所作に似ている。

 昨日の「アメトーーク!」。プロレス特集の後編。前編も見たけど、やっぱりスゲーなって思った。プロレスが、もそうやけどやっぱ芸人の皆さんを含むテレビ屋さんが。

 番組の内容は至ってフツー。こんなの僕らが学生時代、休憩時間に教室でくっちゃべってたのと同じようなもん。エッチューさんのオモロさとか、ドラゴンリングインとか、お前平田だろうとか、内容としては(プロレスファンの僕からすれば)ほとんど目新しいものは無かった。

 でもむちゃくちゃオモロかった。爆笑しまくった。それはやっぱりプロレスという「フツー」から「フツーならざるもの」を抽出して強調する芸人の皆さんの力量と、小気味良いタイミングで入るテロップやチョイスする映像のセンスなどから伺えるテレビ屋さんの技術に拠るものが非常に大きいんやと思う。あれはほんまに凄いよ。テロップ一つとっても、どのコメントを拾うのか、大きさはどれくらいにするのか、フォントはどうするのか、色は、その際のSEは、とか数えだしたらキリがないくらいのテクニックが詰まってる。(そしてその重要さは、エンタの神様と比べればよく分かる)

 マッスル主宰・マッスル坂井氏がハッスルに入団、という一部のプヲタには衝撃のニュースが飛び込んできたのは昨日のこと。その入団記者会見後、初めて更新された坂井氏のブログには、彼の大好きな言葉として「面白きこともなき世を面白く」という高杉晋作の言葉が記されていた。面白くない世の中から面白いことを創出していく彼もまた、芸人でありデザイナーなんだと思う。しかし世の中を面白くするにはあまりに人生賭けてるよなー。賭けてるというか投げてるに近いかもしれん。こういう人はドシドシ応援していきたいと思う。そして僕もいちデザイナーとして人生をドシドシ投げていきたいと思う。あー頑張ろ。柴漬け食べたい。