雪崩式ブログ

雪崩式総裁・コマの日記です。

草プロレスについて

 本当は明日のアルモニ(19時からなんば白鯨でやる月見峠主催のお笑いライブに出るよ!パソコンを使わない画期的な雪崩式分かり易いアカデミーをやるよ!お楽しみに!)の告知とか仕事とかお買い物とか色々せねばならんことが山積しとるんですがどうしてもどうしても書きたいことがあったので書きます。

 僕の日記にある通り、10・11日に万葉プロレスという草プロレス団体が橿原の「夢の森フェスティバル」というお祭の中で興行を打ちました。それに対してこんな書き込みをした人がいたそうです(実際に僕が読んだ訳ではなくて某選手の日記で知った)。以下、要約して引用します。

 「かつては圧倒的な力量・技術の差によって素人と一線を画し、またそれによって幻想を保ち続けていたプロレスラーの権威は今や失墜してしまっている。その原因の一端を担っているのは自称プロレスラー本人達に他ならず、橿原でリングに立っていたバカどもはその壊れてしまったプロレスの残滓に他ならない」

 僕はこの文章を読んだとき、「そらそやろ!」と思いました。もしや猪木や馬場を万葉のリングに求めてしまっているのではあるまいな、お主。
 僕は万葉プロレスの人間でもなければそもそもプロレスラーでもありません。だからこれは、いちプロレスファンの与太話として読んで下さい。

 あくまで「僕から見て」ですが、学生プロレスラーや草プロレスラーは昭和のプロレスラーのような「強さ」を求めていません。もちろん自分のキャラや出したい技によってはトレーニングも必要でしょうし練習もせねばなりません。でもそれは決して「素人との境界線をはっきりさせるため」の鍛錬ではありません。自分の求めるレスラー像を具現化し、自分の世界をリング上に展開させるためです。

 そもそも、肉体的・ケンカさせたら強いで的な意味においてプロレスラーが持つ「素人との境界線」という幻想は、総合格闘技の台頭によってある程度壊されてしまっていると思ってます。それでも僕らはプロレスを好きでい続けている。なぜか。そんな幻想に頼らずともエンターテインメントとしてプロレスは成立するからです。

 僕が初めてプロレスを観たのは小学生の頃です。全日本プロレスでした。天龍や鶴田やハンセンがいて、川田と冬木はゼブラ柄のパンツでタッグを組み、小橋はオレンジのパンツでボコボコにされていました。確かにそこは異空間でした。我々とは明らかに違う人種同士がしばき合うワンダーランドでした。

 話を万葉プロレスに戻します。所属選手の多くは177cmの僕より背が低く、84kgの僕より軽いです。腕力だってもしかしたら僕に劣る選手もいるかもしれない。でも僕は、彼らを表現者としてリスペクトしています。まだまだエンターテインメントとしては未熟かもしれないけど確実に彼らは彼らにしかできないことをやっている。存在意義はちゃんとある。昭和のプロレスとは違う文脈ではあるけども、それぞれが表現者としての創意工夫を重ね続けている。そういう人生の縮図が、万葉プロレスなわけです。

 万葉プロレスだけじゃありません。例えば大阪には千日前プロレスだって、KIWだって、KWAだってOWFだってあとまだ生で観たことはないけどFU☆CKだってある。そのそれぞれが、それぞれの矜持を持って「プロレス」という怪物に挑んでいます。僕は全部アリだと思います。決してプロレスの権威を失墜せしめる存在だとは思いません。それを昭和プロレス基準で「素人以下」と切り捨てるのは、まぁ簡単なんでしょうけど確実に損はしていると思います。MOTTAINAI

 あとこういう亜流のプロレスには決まって安全問題がつきまといますがそれはまた別のお話。受身くらいは最低限ちゃんとする、できないなら危険なことはしない、というお作法は守るべきだと思ってます。

 大体、プロレス頭のある人が仕切ってる団体は結構ちゃんとエンターテインメントとして機能しているもんですよ。ただただプロレスごっこがしたい、派手な技を出したい、というだけのファン根性丸出しで周りと自分が見えていないレスラーは大体において「やりたがり」として忌避されます。「俺は強いんだ!」と身分不相応な自己顕示をしたがるレスラーもいますが、場合によっては「そういうホラを吹く痛い人」というキャラで逆に面白がられたりもします。数字の人とか。

 というわけで結論としては、冒頭のような書き込みをする人に対してはまぁ概ね同感ではあるけども、「カ…カテェ…!!溶岩石のように凝り固まった昭和プロレスファンの頭ッ!」といったところでしょうか。


 カテェと言えば、「泉州力のカタイ話」というトークイベントが来週土曜に京橋の247(244じゃないよ)で行われます。僕も参加させて頂きます。何と角館長も参戦です。何気に泉州さんと館長のこういう絡みは初らしいので、カテェ話もヤワラケェ話もないまぜにして引き出そうと思っております。お問い合わせは泉州さんまで。泉州さんをご存じ無い方は僕まで。