雪崩式ブログ

雪崩式総裁・コマの日記です。

人間臭さ


(写真はどなたかの日記から頂戴しました。どなたか忘れました。すいません)


人間臭い、という言い回しはその向こう側に
冷静で精密でスマートで人工的なもの、例えば機械のような、
そういうものを比較対象として暗に内包してる。

で、僕はといえば、常に冷静で精密でスマートでいたいからね。
自分のキャラの中に「人間臭くある」という選択肢はまぁ、無いわけです。
ほんまにこれは、恐らく病的なまでに。
自分の弱みを見せたくなかったり、愚痴を言いたくなかったり、
失敗したくなかったり、人を頼りたくなかったり。

で、昨日電車に揺られながら、なんでやろなぁ俺と自問してたわけですよ。
自分が人間臭くありたくない理由について。

自問の末、ある程度答えが見えた。

機械-人間と一直線上に並べたときに、機械とは逆サイドにあるもう一つの対立概念が
僕を縛ってたんやないかなと。
人間よりも冷静で精密でスマートじゃないもの。つまり動物。または野性。
動物的・粗野でありたくないという思いが、人間を通り越して無機的なベクトルへ
僕を突き動かしているんではないかなと。
そう思ったんですよ。

その答えが出たのが地下鉄の天王寺駅から御堂筋線に乗らんとしていた頃。
そこからしばし電車に揺られて心斎橋へ。
石倉さんと雪崩式石道のプチ反省会をするためです。

トラブルはあったけど、どうすれば回避できるかも見えた。
ちょっとした愚痴も出た。
いわゆる反省会はここまで。
実質、昨日一日で石倉さんと交わした言葉のうち、本当に反省会だったのは
3割くらいやなかったかな。
6割は石倉さんの熱い思いとそれに感謝する僕の褒めちぎり合い傷のなめ合いですよ。
石倉さんはそれを69と言ったけど。さすがゲス王。
(ちなみに残りの1割はTENGAの話。これまたゲスい)

一昨日のBBBに来てくれてはった昔からのプロレスファンの方が、
「俺は本当に頑固だと思うよ」
と前置きした上で、今のプロレスは本当のプロレスじゃないと熱弁を振るってた。
プロレスラーたるもの、一目で一般人とは違うと分からせなければならない。
俺より身長の低いレスラーはライガーしか認めない。
ファンにニックネームで呼ばれるようなレスラーはレスラーじゃない。
云々。

その気持ちはホンマによう分かるんよね。
プロレスラーは異界の住人であってほしい。
ファンとの線引きもキチッとしてほしい。
I編集長風に言えば、「殺し」を持っていてほしい。
俺かてそう思ってる部分はあるもん。

でも、プロレスは確実に変わってきてる。
どこにでもいるような隣のお兄ちゃんがリング上で光り輝くことの面白さだってある。
レスラーが虚勢を張らずに本音でぶつかる人間臭いエンターテインメントもある。
ファンと積極的に交流することで生まれる一体感だってある。

そういうことを提言したら、そのお客さんは
「そうなんだよな、だからアンタらの方が、プロレスを楽しめてるんだと思うよ」
と、少し寂しげな表情で言った。

最終的には「こういう幅広さがあるのもプロレスの魅力ですねぇ」という結論でしめてんけど、
そういう議論を、石倉さんとの会話で僕は思い出してた。
プロレスラーが人間臭くあることで生まれる魅力。
僕が初めて石倉道場さんの興行を観たときに思ったんがそこなんですよ。
プロレスラーがあんな人間臭い開会挨拶をするんや、と。
雪崩式石道でも「最後の石倉さんのセリフは長々しくて押し付けがましかった」という
意見があったけど、良くも悪くもそれが石倉さんの持ち味ですよ。
実際、僕はあそこでウルッときたしね。
ボロボロ泣いてた人だっていてたもん。

自分の人間臭さを極力出さないようにしてる僕からすれば、
石倉道場さんの興行はまさに異界なんですわ。
石倉さんの入場曲は浜田省吾の『I am a father』。

対して、僕が入場する時に流してもらったのが、ブンブンサテライツの『Girl』

入場曲だけ比べてもここまで違うのが面白いよなぁ。他人事のように言うてまうけど。

僕はハマショーは正直全然趣味じゃない。でも、人間臭いのもいいかもなぁって思う。
カッコ悪いことはカッコいいって、江頭2:50が言うてたって、石倉さんが言うてた。
まさにそういうことなんやと思う。
カッコつけんなよ、と。
正直に泥臭くいこうや、と。

雪崩式石道は、ISHIDOのプロレスバージョンというだけではなくて、
人間臭い石倉さんと人間臭くない僕とが作り上げる新しい形の娯楽です。
というわけでぇ〜
雪崩式石道のぉ〜〜
第二回興行はぁ〜〜〜
………あるんかなぁ?ないんかなぁ??

デルアリのバックヤードで石倉さんは、のしかかる精神的重圧からか
「もうプロレス興行はやらん!」
とヤケクソで言い捨ててはった。
でも俺は知ってる。
ISHIDOをやる度に「もうやらん!」と言いながらも、いつの間にか
また次の企画を考えてしまってる懲りない彼を。

雪崩式石道のネクストについて。
その辺の話も実はしました。
それはまた、別のおはなし。


というわけで本日21日は千日前ディグダグにてバージンロードですよ!

『バージンロード 3』
特殊芸人・山田ジャックがお送りするアングラお笑いイベント。
関西アングラお笑いシーンはこれを見ずして語れない!
●MC:山田ジャック、コマ@雪崩式
●場所:ライブシアター・ディグダグ(千日前・味園2F)
●日時:9月21日(日) 19時半開場/20時開演
●チケット:1000円+ドリンク500円

そしてプロレスファンは羽曳野コロセアムへ!